密集市街地とは、一般的には敷地、道路が狭く、老朽木造建物が高密度に建ち並んでおり、地震時に大きな被害が想定される危険な市街地をいいます。「20世紀の負の遺産」ともいわれるように、震災復興や、戦災復興で取り残されたことや、戦後の大都市部への労働力の流入に対応した低廉な木造賃貸住宅の供給により、十分な道路や公園等がないまま無秩序に市街化した過程を持っています。いわば日本の高度経済成長と引き換えに発生し、あるいは取り残され、大きな変化もないまま防災上の問題を抱えながら現在に残る市街地といえます。
密集市街地の防災上の問題とは、木造建物が密集しているため火災が発生しやすく、さらに道路が狭いため効率的な消火活動が難しいことから市街地大火に発展しやすいこと、避難経路が確保されていないことなどが挙げられます。
この対策として建設省(現国土交通省)は延焼遮断帯により市街地をいくつかの防火区域に区分けし、延焼を食い止め、市街地大火への発展を防ぐ対策を打ち出しました。これを受け、東京都では延焼遮断帯の形成を柱とした防災生活圏の形成を目指すこととなり、延焼遮断帯の整備や防災拠点の整備が取り組まれています。
平成7年1月17 日に発生した阪神・淡路大震災では老朽木造住宅の倒壊による圧迫・窒息による死亡が過半数を占めたことが関係者に大きな衝撃を与えました。これまでの延焼防止に加え、建物の耐震化を促進することが大きな課題となったのです。
このため、老朽化した木造住宅などを建替えて、耐震・不燃化を促進するための、「密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律」(以下、密集法)が平成9年に制定されました。このとき、初めて法的に密集市街地が定義されました。
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