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事例:東京都 F駅前地区 市街地再開発事業

まちづくりを実現するための総合化技術 (スパイラルシンキング 扇形構造)

当地区は、老朽店舗が建ち並び、防災上も、地域中心性の観点からも多くの問題を有して
いる地区でした。昭和40年代から30数余年にわたる経緯を経て、当研究所がコンサルタントとして参加させていただき、権利者の同意や、キーテナントの選定など事業も順調に進みはじめたのですが、バブルの崩壊があり、キーテナントが、出店の経済条件を下げて欲しいとの要請があり、事業は風雲急を告げた経緯があります。

その時期には、全権利者の同意を得ていましたので、その条件変更はできません。さて、どのようにその窮地を乗り切ったのか。

都心部の開発など立地がよく事業上の余裕のある地域は、比較的容易に事業成立しますが、
当地区のように郊外部や地方など立地がそれ程でもない地域は、その計画には総合的な計画能力や推進能力を要することになります。

事業を総合的な視点で考える時、市街地再開発事業の場合、下記に示すように8つの事業化変動要因があります。これらの変動要因は、事業の進捗により、また、計画の内容により変わっていきます。

① 敷地デザイン
② 土地評価
③ 参画率
④ 容積率
⑤ 用途デザイン
⑥ 建築工事費
⑦ 補助政策
⑧ 経費配分政策

これら変動要因は、線形のものや非線形のものがあり、特に事業計画を複雑にするものは、非線形の動きをする補助金の部分となります。これらの変動要因を、事業諸元を検討する中で、ある程度固定できるもの、許容範囲が広く状況によっては余裕金を生じさせることができる部分を見つけだし、それぞれの振れ幅を見きり、与件変動に対する方策、すなわちスコープ計画をたてます。このスコープ計画に、深い許容力を持たせることが、事業環境の変化、経済環境の変化に対応できる事業計画をもち、円滑な事業推進を行う決め手となります。

このスコープ計画は、地域により、環境により、いろいろなパターンが見られますが、当地区においては、⑥番の建築工事費のABC工事の割合の部分を、キーテナントの望む形で微調整することで、権利変換率を下げずに、キーテナントの経済条件の変動という事業上の危機を乗り切ることができることになったわけです。

このように、事業は生き物であり、与件により動きます。当研究所は、事業を計算による資金計画のみで見るのではなく、JIG21システムという与件変動を総合的に検討できるシミュレーターを活用することにより、事業に息吹を与え、関係者にとって最大限の夢を実現できる事業計画を策定し、それをもとに事業を推進いたします。

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